「実家に帰らせていただきます」作戦は果たして効果があるのか?
実家に帰らせていただきます!
いかにも古典的なフレーズですが、旦那さんの浮気が発覚したとき、実際このように言って家を出てしまおうかと考える奥様もいらっしゃるかもしれませんね。
このような脅し文句を使えば何となく旦那さんに対して反省を促すきっかけになりそうに思えるのですが、果たしてこれは実際に効果があるのでしょうか?
あるいは本当に実家に帰ってしまったらどうなるのでしょうね。
今回は、そんなことを取り上げてみたいと思います。
なぜ実家に帰るのか
奥さんが実家に帰るといっても、まずは前提が必要ですよね。むやみやたらに帰りゃいいってわけにはいきませんから。
そこで考えられることとしては…
- 証拠は押さえてないが、旦那さんは確実に浮気をしていると確信する
- 確実な証拠があるのにも関わらず旦那さんが浮気を認めない
- 旦那さんが浮気問題についての話し合いを拒む
- 旦那さんが浮気相手と別れない
- 旦那さんが家庭を顧みない
- 話し合いをしようにも奥さんが冷静になれないので無理
こんな感じでしょうか。
これらの理由であれば、例え奥さんが本当に実家に帰ったとしても、あとから第三者が客観的に見た場合でも非難されるようなことはないと思います。
ただし、実家に帰るにしても注意しなければいけない点がありますよ。
実家に帰る場合の注意点
奥さんが実家に帰るということは、一時的にしても「別居」という形になります。
実は民法の第752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という条文があって、夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務についての規定があるのです。
ですから、奥さんが怒りに任せて家を出てしまった場合、もしかすると奥さんが一方的に家庭を放棄したと見なされてしまう可能性が出てきます。
結果的に旦那さんの浮気問題が丸く収まってしまえば問題はないのですが、もし万が一、話がこじれて旦那さん側に弁護士が入ったり離婚調停などの大きな問題に発展した場合、旦那さん側が「奥さんの家庭放棄」をタテにして優位な立場を取ろうとする可能性も考えられます。
ですから、もしどうしても実家に帰りたい場合は絶対に旦那さんの同意を得てくださいね。
同意の方法としては、本当は旦那さんに一筆書いてもらうのがベストですが、おそらくそういう雰囲気ではないでしょうから、とりあえず「ICレコーダー」や「スマホの録音アプリ」でもいいので旦那さんが承諾した言質(げんち)を録音しておきましょう。
例えば…
こんな感じです。
まあ、わたしも当時これほど強気で向かって行ければ良かったとは思いますが、とりあえず録音する会話の内容としては、「旦那さんの浮気問題である」「旦那さんは浮気自体を否定していない」ということが重要だと思います。
旦那さんの浮気を否定する文言が含まれている場合は、あとで「妻の誤解や勘違い」というふうに奥さんの責任にすり替えられてしまう危険性がありますので注意してください。
奥さんが実家に帰る効果とは
では次に、奥さんが実家に帰るという行為は、旦那さんに対してどんな効果があるというふうに奥さんは期待するのでしょうか。また、それは本当に効果があるのでしょうか。
奥さんに実家に帰られた旦那さんは何が嫌なのか
まず普通に考えれば、第一は義理の父母や兄弟姉妹に自分の浮気を知られてしまうことを恐れるでしょうね。
特に、それまで義理の実家との関係が良好だった旦那さんにとっては尚更です。義父と趣味が同じで一緒にやっていたとか酒飲み友達のような関係だったとか。
本当の父子のように接していた旦那さんであれば、自分の浮気が原因で相手の娘を実家に帰してしまったなどという痴態・失態は内緒にしておきたいものだと思います。
さらに奥さんのお兄さんお姉さん、弟さんに対しても気まずいですよね。離婚しない限り、冠婚葬祭などでどうしても顔を合わせるでしょうから、その場面を想像すると「針のむしろ」状態です。
なので、もし奥さん側としても離婚するつもりではなく単に旦那さんに反省を促す目的での帰省であれば、帰省の理由については父母、兄弟姉妹には内緒にしておいたほうがいいと思います。
話がこじれるまでは、単なる夫婦喧嘩ということにしておけばいいのではないでしょうか。
つい勢いで実家に帰ることに同意してしまった旦那さんも、ひと晩、二晩よく考えてみると、義理の実家との関係を壊したくないと思って慌てて奥さんを迎えに来るかもしれませんよ。
奥さんが実家に帰ると逆効果になる場合もある
旦那さんの浮気が原因で奥さんが実家に帰ってしまった場合、必ずしも良い結果になるとは限りません。というか、むしろ逆のケースも有り得ますよね。
例えば、旦那さんが義理の実家に自分の浮気がバレてしまったと思い込み、それまで大切にしていた良好な義理の父母との関係が壊れたことに落胆し、悲観してヤケになってしまうかもしれません。
それまで全く家庭を壊すことなど考えてもいなかった旦那さんが、それをきっかけにして離婚を考え始める可能性があります。
次に、元々義理の実家との折り合いがあまり良くなかった旦那さんの場合はどうでしょう。これまで、義父からあまり良く思われていないと感じていた旦那さんであれば、それが決定打となって絶縁する覚悟ができてしまう可能性があります。
親戚づきあいも益々イヤになって離婚したいと思い始めるかもしれません。
さらに、浮気相手にラリっている状態の旦那さんならどうでしょうか。奥さんが実家に帰ってしまうことによって、これ幸いと、益々浮気相手にのめり込んでしまう可能性がありますね。
奥さんがいない間、自宅に相手を泊まらせてみたり、相手の自宅に入り浸ってしまうかもしれません。
実家に帰る作戦についてのまとめ
このように、「実家に帰る作戦」は諸刃の剣的な要素があるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
結果的に「吉」と出るか「凶」と出るかは、旦那さん次第ということになりますね。奥さんの実家との関係、浮気相手との関係によってどう転がるか分からないと思います。
どちらにしても、衝動的に実家に帰ってしまうと良い結果にはならないと思いますので、旦那さんの様子を見ながら実家に帰った後の対応や戻ってからの対応方法も考えたうえで冷静に判断されることが重要だと思います。