勝手に離婚届けを出されないように-強硬に離婚を主張する旦那にご注意!-
2016/01/12
最近受けた浮気相談なのですが、旦那さんと女性部下(バツイチ子持ち)とのただならぬメールを見てしまった奥さんが旦那さんにそのことを問いただしたところ、いきなり離婚を切り出されてしまったそうです。
まさに青天の霹靂なわけですが、ひとまず冷静になって話し合いをしてみたところ、浮気問題については認めながらも、相手を擁護してか奥さんに会わせる気は全くない様子。
それどころか、「まずは別居してから今後のことについて話そう」と主張しているらしく、すでに今後についての段取りを旦那さんが一方的に組んでしまっているようなのです。
奥さんとしては、
- 二人はなぜそのような関係になってしまったのか
- 旦那さんはなぜ妻子を捨てられるほどの心境になってしまったのか
- 旦那さんとその女性は今後どうするつもりなのか
まだこのような浮気に関する核心部分を聞き出せてはおらず、離婚に同意するとかしないとか以前の段階で思考がストップしているような状態です。
ただ分かっているのは、旦那さんの離婚についての意思はすでに固まっているようで、4歳になる息子さんとの面会は『月イチでいいよ』的な発言をしているとか。
通常、不倫亭主の側が親権を主張して奥さんと争うケースはめったにないようですが、それにしてもこのご主人の場合はあまりにもお子さんに対する愛情が希薄すぎる気がします。
奥さんの相談内容には、これまでの夫婦関係についてこれといった情報はなかったのですが、そこまで夫婦関係が冷めてしまっていたということなのでしょうか。(それと子供さんへの愛情は別問題ですが)
ともあれ、このようなケースで特に気を付けなければいけないのは、旦那さんに勝手に離婚届けを出されてしまうことです。
「離婚届不受理の申出」を出しておこう
今回のケースのように、まだ離婚について奥さんの意思がどちらにも固まっていない状況で、旦那さんが一方的に離婚を強く要求している場合は、往々にして旦那さん側が勝手に離婚届を役所に提出してしまうことがあるようです。
離婚届けを受理する役所側にしてみれば、書類の記入内容にさえ不備がなければ誰が記入しようが関係ないわけで、受け付ける際に筆跡鑑定をするわけでもなく、単に三文判さえ押印してあれば受理するわけです。
本来、「離婚届け」というのは夫婦双方の合意の基になされるものですが、夫婦のどちらか一方が離婚届を偽造して提出したものであっても受理され、離婚が成立してしまうわけです。(ちなみにこれは犯罪です「偽造有印私文書行使罪」)
犯罪と分かっていても、なぜあえて旦那側が勝手に離婚届を提出するのかというと、おそらくこんな理由ではないかと推測します。
- すでに浮気相手と結婚の約束をしていて、相手から離婚を強く迫られて止むなく
- 浮気相手がなかなか離婚しない男にイライラし始め、男が捨てられそうになったから焦って
- 離婚の成立をひっくり返すには裁判などで奥さん側が勝訴することが必要なので、奥さんが面倒になって諦めるのを狙って
他にも何かありますかね?
理由はともかく、戸籍上、離婚が成立してしまったらひっくり返すのはとても面倒なことに違いはありません。しかもこの件に関しては、それにも増して大きな不都合があるようです。
実は、慰謝料や財産分与、養育費などについての合意がないうちに離婚届けを出されてしまうと、それ以降、これらについて協議するうえで、旦那側が離婚条件の取り決めに非協力的になることが多いらしいのです。
ようするに、すでに離婚が成立してしまったものだから、あとの件はのらりくらりと嫌がらせのように交渉を先延ばしにするのだとか。
これでは奥さん側にしてみたら踏んだり蹴ったりですよね。
ですから、そのような最悪の事態を防ぐためにも、とにかく先手を打って「離婚届けの不受理届け」を出しておきましょう。
離婚届けの不受理申出をするには
届出先はあなたの本籍地の市区町村役場です。全国共通の書式はコチラからダウンロードできますのでお使いください。
ダウンロードした書式を使う際の注意点
- A3の用紙に印刷して使用してください。
- A4の用紙に印刷した場合は、コンビニ等のコピー機でA3サイズに拡大コピーをして使用してください。
- インクが消えてしまう恐れのある感熱紙は使用不可です。
- 市区町村役場によってはダウンロードしたものを受け付けてくれない場合があるので、利用前に必ず届け出をしようとする役場へ問い合わせてください。
不受理届けの記載例は下記リンクより参照してください。
離婚届不受理届申出の取り下げについて
上記の記入例の書式には「不受理期間」という欄がありますが、平成20年に法改正があり、離婚届不受理の申出にはその効果に期限はなくなりました。
なので、その後の夫婦間による協議の結果、本当に離婚することになった場合は、申出をした本人が窓口で取り下げをしなければ永遠に離婚届けを受理してもらえなくなってしまいます。
ですから、本当に離婚することになった場合は「取り下げ」をしてください。なお、離婚届の届け出と同時に取下げをすることもできますので、一緒にやれば二度手間にはなりません。
ということで、強硬に離婚を主張する不倫亭主に対しては、ぜひとも「離婚届不受理の申出」によって対抗措置を講じていただきたいと思います。
本来であれば、不貞行為を行なった側から離婚の要求は出来ないことになっていて、離婚するかしないかは不貞された側に決定権があります。にも関わらず、今回のような身勝手な旦那は存在しますので、ぜひ気を付けてくださいね。